TRYOUT|企業支援・地域活性化・コンサルティング|北海道札幌市

企業支援・地域活性化・コンサルティング|北海道札幌市

“支援”と”依存”との狭間

起業を”支援”する、各関係機関が一同に会する機会があり、その構成機関のひとりとして参加させてもらった。
起業をとりまく政策や事業内容、これまでの活動報告と今後の計画についての説明があった後、事例発表を挟んで「ケーススタディ(ロールプレイ)」を行う、という内容であった。

起業支援というのは、当事者との間の”距離感”が、実に難しい。
今回のケーススタディは、「起業は必ずしも、誰もがしなくてはいけないものではない」という条件の中で、当事者とどのくらい距離を保って支援をするのか?という大きなテーマについて気づかせてくれる内容だった。

過度な支援は、当事者の「依存」につながりかねない。
本来であれば、当事者自らが情報収集したり試行錯誤しながら磨いていくものを、支援者として”代わりに”行うことや、”答えを示し”考える機会を奪うことは、たとえ「起業」という成果が得られたとしても、それが「自立」ということとは一致しないケースも起こりうる。

結果としてその「起業」は、形式としての「起業」であって、実態として長続きしないことにもつながりかねない。

一方で、支援サイドの依存という側面もありうる。
支援活動の心地よさにのめり込むあまり、当事者のニーズを無視した支援が続けられると、結果として”支援者側が”当事者を自分が救われる道具や、自己の承認欲求を満たす道具として依存し、利用してしまう可能性を秘めている。

つい最近、為末大さんがブログで「息子の学び」について触れており、同じく息子を持つ立場として共感したものであったが、今回のケーススタディも改めて「待つこと」について考える時間となった。

待つこと|為末大・侍オフィシャルサイト
http://tamesue.jp/blog/archives/think/20170731

 

起業というのは、必ずしなくてはいけないものではない。
もう少し言うと、当事者の「起業したい」という言葉に込められた本心が、必ずしも「起業」が答えであるとは限らない。機が熟すまで「待つこと」も支援なのだろう。

だからこそ、距離感が実に難しい。

答えはまだ見つからないが、各々が自ら距離感を計りながらバランスを取って、サポートをしていくことが求められるのだと思う。

また大きな宿題をいただいた。

著者

株式会社TRYOUT代表取締役中村 領/Ryo Nakamura
77年・札幌市生まれ。
SIer・広告ベンチャーなど民間企業勤務を経て、13年よりTRYOUTを設立・代表/中小企業診断士。
14年から中小企業庁の支援事業においてコーディネーターに就任。3年間の企業支援件数は1,000件を超える。企業とともに伴走する支援家として、地域中小企業のチャレンジを応援している。

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