TRYOUT|企業支援・地域活性化・コンサルティング|北海道札幌市

企業支援・地域活性化・コンサルティング|北海道札幌市

ついつい忘れてしまう、自分と他人は違うという、アタリマエのこと

「自分は中小企業診断士を目指しています。中小企業診断士は難しいですか?資格を取ったら食っていけるでしょうか?」

 僕は中小企業診断*1という資格を持っているせいか、こうした問い合わせメールがたまにくる。

僕の回答 

 質問者が学生だったりすると、この回答が彼の将来に影響すると思って、一生懸命返事を考える。
はじめまして。


ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。そして、全く面識のない僕に、メールを送るその積極性、とても素晴らしいと思います。
僕が学生の頃は、そんな事考えもしませんでした。
将来について色々悩んでいるのですね。ここからご質問にお答えします。


①難しさについて
 難しいかどうかは、あなたの得意な事や苦手な事を知らなくては、僕もお答えできません。僕にとって難しくても、あなたにとっては簡単な事もあるでしょう。僕のものさしと、あなたのものさしは違うでしょうから、同じ単位では説明できないんです。
②食っていけるかどうか?
 これも同様です。食っていける、とはどういうことでしょうか?北海道に住み、家族を持ち、家庭菜園をし、たまに旅行に行きたい僕と、「あなた自身」の生活では「食っていける」の意味が、同じではないと思います。これからどういう人生を歩みたいかによっても、かかるお金も変わってきますよね。


 どうしたら納得のいく生活を送ることができるか、納得の行く仕事ができるかは、自分自身で決めることだと思います。
 面倒な奴に質問してしまったな、とお思いかもしれません。ただ、あなたの目指しているコンサルティングの世界は、答えがないのが当たり前の世界です。もしこの世界を目指すのであれば、自分の頭で考える力、そして自分の実力で生き抜く応用力を身につけることが必要だ、ということを事前にお伝えしておきたかったんです。


僕もまだまだ成長の途中です、お互い頑張りましょう。
 こう書くと、そこでやり取りは終わる。期待した回答ではなかったのか、何か思い直したのか。いずれにしても、彼らにとっていい方向に進んでいる事を祈りたい。

「正解」という器

 少し前に、 下の画像が話題を呼んだ。ある父親が子供に対して、受験勉強を始める前に作った「人生表」だ

この内容に対して、ネット上では賛否両論あった。僕個人としては、この表がこの通りなら、人生を生き続ける意味をあまり感じない。

 先ほど僕に質問をした学生も、自分がどう生きたいのか、なんていう意思は今のところ一切ないのだろう。上の人生表のように、彼の中にマニュアル的な「正解の生き方」という器があって、その器にハマるかどうか、と言うことを確認したかったのだろう。
 ただ、上の回答のように、僕と彼の生きたい人生や価値観は異なっている。他人なんだから、当然だ。でもこの当たり前のことを、人はついつい忘れてしまう


 こういったことは、企業経営の現場でも同じく起きている
  • 例えば商品作り。自分がいい、と思ったものは他人もいいと言うはずだ、とついつい思ってしまう。
  • 例えば組織作り。自分ができることは、他人も簡単にできるはずだ、とついつい思ってしまう。
  • 例えばコミュニケーション。自分がこうだ、と思って伝えたことは、相手もそう解釈する、とついつい思ってしまう。
 もう一度言うが、自分と他人は異なるこの当たり前の事に気づくと、組織の作り方、お客様への対応の仕方など、企業活動の全ての事が変わってくる。
 
 情報に溢れ、簡単にコミュニケーションが取れる時代だからこそ、自分と相手との相違点と、相違の度合いを測りながら物事を進める、つまり「質の高いコミュニケーション」を取ることが、売れる商品作り、うまく回る組織作りなど、やりたい事を実現するのに必要な要素なのである。


*1:中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。 法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。


著者

株式会社TRYOUT代表取締役中村 領/Ryo Nakamura
77年・札幌市生まれ。
SIer・広告ベンチャーなど民間企業勤務を経て、13年よりTRYOUTを設立・代表/中小企業診断士。
14年から中小企業庁の支援事業においてコーディネーターに就任。3年間の企業支援件数は1,000件を超える。企業とともに伴走する支援家として、地域中小企業のチャレンジを応援している。

お問い合わせ

講演依頼・相談予約・その他お問い合わせは