TRYOUT|企業支援・地域活性化・コンサルティング|北海道札幌市

企業支援・地域活性化・コンサルティング|北海道札幌市

専門化こそが、中小企業が生き残るただひとつの術である

販売戦略の相談中に、とても壮大なお話になることがある。例えば「芸能人にPRしてもらってブームを作る」など。
目指す理想が高いのはいいが、それは果たして実現可能なのだろうか?またどのくらいの資金と労力が必要となるのか、疑問だ。

生活スタイルが細分化された今、中小企業が生き残るために採る作戦は、そうしたイチかバチかの仕掛けじゃなく、お客さんを絞り、専門性を磨くことしかない。

今情報は、処理しきれない位あふれている

①情報があまりなかった時代

生活スタイルもそれほど複雑ではない。車を持っていることや、家にテレビがあることがステータス。企業の数もまだそれほど多くない時代。
「自動車業界」「住宅業界」など各業界は、さまざまな取り組みを業界ごとに行なってきた。

②徐々に情報が増え、生活に浸透してきた

情報が増え、少しずつ生活スタイルに反映されてくる。
例えば住宅を「持つ」という考え方と「借りる」という考え方。「塾に行く」といく考え方と「家庭教師を呼ぶ」という考え方。

「住むこと」「学ぶこと」ひとつをとっても、このように生活スタイルの多様性が広がっていく。

その中で、僕らは自分の趣味・嗜好にあったものを選択してきた。

③情報が溢れ、それでも増え続けている

インターネットの出現により、僕らが触れられる情報は膨大なものとなり、処理しきれないほどになった。そしてその情報は今でも増え続けている。

増えた情報は、これまでと同じように、生活スタイルに反映される。

例えば「住む」ことを考えても、「一戸建てを買う」「一戸建てを借りる」「マンションを買う」「マンションを借りる」「実家に住む」「二地域間を行ったりきたりする」「シェアハウスで暮らす」「夏はキャンピングカーで暮らす」などなど。

「教育」で考えると、「少人数制」「個別指導」「通信制教育」「eラーニング」「Nintendo DSのソフトでできる学習」など。

選択肢は増える一方だ。

大企業と中小企業、それぞれの役割

このように、 生活の多様化が進んだ今。大企業と中小企業、それぞれの役割や、戦い方がある。

①大企業の役割

生活が多様化した時代に、その「業界」の商品をある程度網羅して取り揃えておくのは、大企業の役割だ(上図の赤●部)。

取り揃えた商品について、市場調査を行い、商品について勉強し、それを販売する体制を作り、PRをし・・・。これを実現するのには、膨大な労力とお金がかかる。
こうした取り組みは、いくら中小企業が行っても、資本力で大手企業に到底太刀打ちできない。なぜなら、そもそものスタートラインが異なるからだ。

②そこで中小企業が生き残る術は?

中小企業が採る作戦は、専門化しかない。専門化には「商品の専門化」「お客様の専門化」の2つの方向性が考えられます。

1.商品の専門化 

業界の中での特定の商品に特化し、専門的な知識を身につける作戦だ。「他はそうでもないが、2LDKの家族3人のための家づくりは得意!」のようなこと。万人には当てはまらないが、対象となるお客様には、深く届く。

2.お客様の専門化

お客様の生活スタイルに、徹底的に密着する。業界の壁を取っ払って、「そのお客さまが求める商品」を提供する。上図の色分けされた部分を、ひとりの生活スタイルとして考える。

例えば「車はミニバンの普通車、賃貸のマンションに住み、国内の温泉旅行が好きで、子供の教育には個別指導の家庭教師をつけ…」という生活をする「Aさん」のための商品を提供すること。個人に徹底的に密着し、その方のニーズを叶えるのだ。

この2つの方向性の「専門化」 でしか、中小企業は生き残れない。

ブームを作ることは、容易ではない。そして、例えブームが起きたとしても、その一瞬の出来事はすぐに去っていってしまう。一発狙おうとし過ぎた結果、いくらお金があっても足りず効率の悪い取り組みになっていないだろうか?

急がば回れ。正しく地道な取り組みを積み重ねることが、一番着実な方法である。

著者

株式会社TRYOUT代表取締役中村 領/Ryo Nakamura
77年・札幌市生まれ。
SIer・広告ベンチャーなど民間企業勤務を経て、13年よりTRYOUTを設立・代表/中小企業診断士。
14年から中小企業庁の支援事業においてコーディネーターに就任。3年間の企業支援件数は1,000件を超える。企業とともに伴走する支援家として、地域中小企業のチャレンジを応援している。

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